幻聴の研究 幻聴や被害妄想は統合失調症特有の症状では無い

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yahoo知恵ノートから移設

yahoo知恵ノートの終了に伴い知恵ノートより移設。

自分の行動を指摘する声や実況する声、悪口や誹謗中傷する声が聞えても、その声が実在するとは限りません。

実在しない声は、どれ程高性能な録音装置を用いても録音など出来ません。

そうした声が聞えても録音出来ないのなら、嫌がらせとか犯行を疑う前に幻聴を疑いましょう。

 幻聴や被害妄想は統合失調症特有の症状では無い

この知恵袋で幻聴系や被害妄想的な質問をする人に対して、直ぐに統合失調症を持ち出す人を見かける。

しかし、幻聴や被害妄想は統合失調の症状として書かれていても、症状では無い。

もし症状と言われている幻聴や被害妄想が、症状ではなく人間が本来持っている機能の暴走だとしたら治療で幻聴や被害妄想が消える事は無い。

そもそもの話、幻聴とは何か?を調べても、病気の症状としての記述はあっても幻聴のメカニズムを具体的に説明した物には出会えなかった。

なので自分で研究して来たのだが、研究で見えて来たのは、幻聴は症状ではなく誰もが持っている脳の機能であり、その機能は心理状態に左右される性質を持っていると言う事だ。

もし幻聴が聞こえると言った質問者に「それは統合失調症」と返信すれば、質問者を追い込む事になり兼ねないので、著書「被害妄想解体新書」や「なぜ人は精神を病むのか」で書いてはいるが、私が研究して来た事や調べてきた事を「知恵ノート」にも記して置こうと思う。

幻聴と言っても様々

まず幻聴だが、幻聴と一言で言っても色々なケースが存在する。

大分類として、「音系」と「声系」に分類される。

「音系」は声ではなく「音」が聞えるタイプだ。

その音を不快に思っていたり、嫌がらせのように感じている人も多い。

また、自分の室内の行動に合わせて音が移動して聞えていたりするので、「盗聴器などで居場所を知られて嫌がらせをしている」と思い込んでいる人も少なくない。

聞える音を不快に思っている人は「生活騒音」と言い、嫌がらせと感じている人は「仄めかし」と言ったりする。

「声系」は声が聞こえるタイプで、主に自分の行動を指摘する声や、自分の噂や悪口など、自分を否定するような声が聞こえる人が多い。

 幻聴の実体

「音系」と「声系」、この両者とも共通した特徴がある。

それは「聴覚過敏」である。

まず音系だが、第三者立会いで計測しようとすると、その音は聞えない場合が殆どである。

また、音が聞こえた場合でも、第三者には騒音と言える程の音には聞えない。

そこで、本人に機材を渡して測定すると「40dbもありました」と言う報告が来る事がある。

その数値は、騒音など存在して無い事を示す数値である。

「40db」と言えば、深夜の市内、図書館、昼の住宅の音レベルで、かなり静かな状態を示す数値だ。

では何故40dbが騒音に聞えるのか?

実は、彼等に聞えているのは騒音ではない。

最も多いのが「神経過敏(聴覚過敏)」で、小さな音が大きな音に聞えている。

聴覚過敏は防衛反応として出ていると考えた方が分かりやすい。

そもそもストレスとは敵に襲われた時の防衛システムであり、ストレス状態にあれば脳は警戒モードに入り、接近者を逸早く発見出来るように音に敏感になる。

そこには他者に対する不信が有る場合が多く、脳(本能)が他者を敵認定していればストレス状態となり、そのストレスが警戒モードを引き起こし、音に敏感になる事で些細な音が気になり、ストレスが増して行く悪循環に陥る。

脳にはノイズキャンセラの様な機能が備わっているのだが、聴覚過敏はその機能が作動しない事が原因と考えられる。

極端な例だが、双極性障害を発症した友人は、普通に話す私の声が鼓膜が破れるほどの大声に聞えていた程で、ヒソヒソ声で話しても耳が痛いほど大きく聞えると言っていた。

こうした聴覚過敏の厄介な所は、常に聴覚過敏が出ている訳ではない所にある。

常に聴覚過敏が出ているのなら自覚し易いが、脳が緊張を感じた時だけに出たりするので自覚し難い。

例えば、自分が何か行動を起こした時や、何かをし終えた時などに聴覚過敏が出たりする。

また、無意識に音を探し、探している時に聴覚過敏が出る事もある。

その様な状態になると、自分の行動に合わせて音を出されると思えたりするのだが、そうした人に常時録音して貰い音圧を測定すると音圧に変化は殆ど見られない。

音系の幻聴は聴覚過敏だけではない。

感音性難聴やメニエール病などのストレス性の難聴の人は、換気扇等のモーターの様な耳障りな低音が聞えているのだが、それは低音性の耳鳴りであり、その耳鳴りを騒音だと思いこんでいる人も多い。

その他にも、寝ようとすると、ドアを強く閉めたり、ドンドンと足音を鳴らしたりする嫌がらせをされると言う人もいるが、それは「脳内爆発音症候群」によって聞えている場合が多い。

脳内爆発音症候群は寝入り端に起きる。

それら全てに共通する原因が「ストレス」である。

ストレスとは本来、敵から身を守る為の防衛反応である為、偏桃体が危険を感じるとストレスホルモンが分泌される。

ストレスホルモンは交感神経に直接作用し、神経を過敏にする事で素早い動きが可能となり敵から逃げる事が可能となる。

この神経を過敏にする事で神経過敏(聴覚過敏)が起きる訳で、神経過敏(聴覚過敏)はストレスのバロメーターでもある。

自然界では天敵に襲われたとしても短時間で脅威は去るので問題はないが、ストレス状態が継続すると支障を来たす事となる。

ストレスで交感神経優位な状態が続くと、自律神経のバランスが崩れ始めて自律神経失調症の症状が出始める。

またストレスホルモンのコルチゾールやカテコールアミンの分泌は血糖値を上昇させる働きを持ち、ストレスが継続すると高血糖の状態が続く事となる。

では何故ストレスは血糖値を上昇させるのか?

それは神経を過敏にするだけでは敵から逃げられないからである。

神経だけ過敏に反応しても体が動かなければ逃げられない。

敵から逃げるには筋力や持久力も必要になり、その筋肉のエネルギーとなるのが糖であるからだ。

そして何より脳のエネルギー源は糖(ブドウ糖)である。

自然界では敵に襲われても逃げ切った時点でストレスからは解放される。

しかし人間は社会生活の中でストレスを継続させてしまう。

その結果、慢性的な血流の悪化を招く事になる。

そして聴覚器官や脳の神経への血液供給が悪化する事で機能不全を起す。

それが耳に症状が出れば感音性難聴などの難聴になり、脳に出れば心身症や精神疾患となり末梢神経に出れば末梢神経障害となる。

また、これは実際にそのお宅へ出向かなければ分からない事だが、こうした事が原因で騒音を訴える人(トラブル化している人)は例外無く何らかの形で孤立化している。

社会的孤立、家庭内孤立、精神的孤立、対人的孤立などなど。

そして、コミュニケーションに苦手意識を持っている。

孤立化は神経過敏を引き起こす原因となるのだが、これは一概に病気とは言えない。

神経過敏(聴覚過敏)を理解するには、人間が集団で生きる動物である事から理解する必要がある。

集団を形成する動物のメリットは、集団を形成する事で種の生存率を上げる事だ。

天敵に狙われた時、集団を形成していれば多くの目があるので逸早く天敵の接近を発見する事が出来る。

そうした多くの目がある集団にいれば、自分が警戒していなくても誰かが警戒しているので気を抜ける時間が作れる。

また、一匹で生活していれば天敵に襲われた時の生存確率は低いが、集団でいれば生存確率は高くなり、種の繁栄に繋がる。

しかし、集団のメリットを享受する為には絶対条件がある。

それは仲間への信頼。

もし、集団の仲間を信じられなければ敵中に孤立しているのと変わらない。

つまり、孤立とは集団から逸れた状態であり、脳が警戒を解けない状態となる為に神経が過敏になる。

その警戒こそがストレス状態であり、脳が警戒モードに入っている為、些細な音でも気になってしまい、ストレスが自己防衛システムであるが故に、聞こえた音が自分に向けられた音のように感じ、そこに敵意を感じてしまう。

この聴覚過敏が幻聴の始まりであり、環境の変化で起き易くなる。

なので、進学、クラス替え、就職、転居、配置換え、転勤、災害等で起こり易い。

ここで重要になるのがコミュニケーション力である。

コミュ力が高ければ新天地でも仲間を作り易いので孤立は避けられるが、コミュ力が低ければ孤立が続く事となり、本人も気付かない所でストレスを継続させる事になる。

声系の人はその進化版(悪化)と考えれば分かり易いだろう。

声系は、聴覚過敏で聞こえている音に「補完機能」が働いて音が声に聞こえたり、聞き取れない程の小さな音量の音や、他人の会話の内容を脳が補完して聞こえている。

補完とは、欠けている情報を周囲の情報から推測して補う脳の機能である。

この補完機能は誰もが備えている能力であり、病気の症状では無い。

それは「録音の解析」をする事で明らかにしている。

例えば「あ、また食べてる」と言う声が録音されているとして送られたファイルには、ボリュームを最大にしても聞き取れない程の音が録音されていた。

その音が入っている部分だけをカットし、音量を増幅するソフトで何倍にも増幅して聞くと「あ」の部分は電子音の「ピ」と言う音が録音されており、「また食べている」と言う部分は、工事現場の音に混じって「何で壊すの」と言う声が確認された。

別の代表的な例では「犯人が語りかけてくる声が録音されています」と言う録音ファイルを相談者が持ち込んで来た。

その録音ファイルを音声スペクトラムアナライザーで音を視覚化して分析すると、相談者の声以外には雨音と時計の音しか録音されておらず、私には本人が一人で話しているようにしか聞こえない。

しかし、一緒に聞いていた相談者には相手の声が聞こえると言う。

これらのケースの面白い所は、それが録音ファイルであると言う事だ。

録音ファイルなので、脳内通信だとか電波送信だとかの戯言は通用しない。

録音ファイルからは電波だとかテレパシーなどは間違っても出ない。

しかし、その相談者には何度ファイルを再生しても、同じ所で同じ内容が聞こえているので間違いなく音が原因で聞こえていると言う事である。

そう、このファイルには確かに声の原因が録音されていたのだ。

恐らく誰が聞いても、それが聞こえた声(幻聴)の原因とは気付かないだろう。

分からないから「幻聴」と言う言葉で「存在しない音」として片付けようとする。

故に、幻聴のメカニズムを明確に説明する事が出来なかったのだろうと推測する。

さて、その幻聴の原因とは何か?

それは、雨音と時計の音でありる。

つまり、それらの音を脳が声に補完して聞こえていたのだ。

「あ、また食べてる」の音声ファイルも同じ様に、電子音の「ピ」を「あ」に「何で壊すの」を「また食べてる」に、聞き取れない程の雑音を聴覚過敏で拾い、その聴覚過敏で拾った雑音を声に補完して聞えていたのだ。

この手の幻聴には、共通した特徴がある。

「悪口の証拠録音」とか「嫌がらせの声」等として送られて来た音声ファイルの全てで、声が聞こえる時には必ず雑多な音(ノイズ)が存在し、「無音」では幻聴は発生していなかった。

こうした録音データの解析から分かる事は、通常聞き逃すほどの小さな音が、本人にはハッキリと聞こえている(感じているだけ)と言う事である。

つまり、通常では聞き取れない音が聴覚過敏で聞こえ、良く聞えなかった音を脳が補完して聞こえた物が、幻聴である事が分かって来る。

また、雨音などの一定のノイズが連続して聞こえるような状態では、そのノイズの中に重要な情報が無いかと脳が詮索する事によって幻聴が起きる。

そして、聞こえる声の内容は、次項の「幻聴と心理状態」で書いている心的要因によって左右されている。

こうした補完系の幻聴は難聴系でも起こる。

例えば、感音性難聴などの有毛細胞系の難聴では、部分的に聞えていなかったりしているのだが、通常は補完機能が働いて、聞えない部分を前後の文脈や状況から正しく補完されて聞えるので難聴の自覚がない。

しかし、部分的に聞えていない所が心的要因に左右されて補完されてしまうと、自分に対する悪口などに聞えてしまう。

例えば「おかあさん」の「か」が聞えず「ば」に補完すれば「おばあさん」に聞えてしまったり「空き巣とかに狙われる」の「あき」を聞き逃して補完されれば「ストーカーに狙われる」と聞えてしまったり、「下さい」の「くだ」を聞き逃して理解すれば「ダサい」になる。

これは難聴だからと言う訳では無く、聞き逃しが起こり易い疾患として難聴があると言った方が正確である。

また文章には句読点と言う区切りがあるが言葉には句読点が無い。

その句読点次第で全く異なる意味となる。

例えば「ぱんつくった」は「「パン、作った」にもなれば「パンツ、食った」にもなる。

そして同音異語もある。

「かてい」も「家庭」「過程」「課程」「仮定」などがあり、聞こえた平仮名をどの漢字に変換するかで意味は全く異なる。

こうした文の区切りや、どの漢字に変換して意味を理解するかは会話の流れの中で理解する。

これも周囲の状況(前後の文脈)から推測して補う「補完」であり、前後の文脈が聞こえず単語だけ聞こえた場合、補完はその時の心理状態の影響を受ける。

被害妄想を抱いた人に聞こえる悪口とは、主に第三者の会話の切り取りであり誤変換である。

これらは空耳系の幻聴と言えるのだが、空耳も幻聴も基本的には同じである。

空耳と幻聴を区別するとすれば、聴覚過敏の有無であると定義する。

こうした言語タイプの補完とは違う補完もある。

例えばこの音声ファイル。

MP3音声ファイル

この音声ファイルを聞くと、しゃがれた声で「せいや」とか「そいや」とか、神輿を担いでいる時の掛け声のように聞える。

しかし実態はこれだ。

MP4動画ファイル

最初の音声ファイルは、この動画の音声だけを切り取った物なので、全く同じ音源なのだが、映像が付いている物と付いていない物では、同じ音源でも聞こえ方まで違う。

最初の音声ファイルが何故声の様に聞えたのか?

それが「音階」である。

言葉を含む全ての音には音階がある為、単語の音階と同じ音階の雑音があると声のように聞こえてしまう。

そして、雑音は様々な音の集合体であり、様々な音階の集合体でもある。

その音階の集合体の中から、気になる単語の音階だけを聞き取り補完する事でも幻聴は起きる。

また、言葉に変換されないノイズでも、言葉として聞き取れない人がざわつくような声に聞えたりもする。

その代表的な物が「雨音と拍手」であり、雨音に聞こえていた音が拍手に聞えたりもする。

これは音のルビンの壷とも言えるような現象である。

雨音とも拍手とも区別の付かない音を「雨音」と意識誘導すれば雨音に聞こえ「喝采」と意識誘導すれば拍手に聞こえる。

これと同じ原理で起きる幻聴が、人のざわめきが聞こえる様な幻聴である。

その原理は聴覚過敏で聞こえたノイズを人の声と認識してしまい、ノイズが人のざわめきの様に聞こえる訳だ。

通常は、音源の視覚情報があったり、人の目を気にしていなければ音階による補完は薄いのだが、次項の「幻聴と心理状態」で書いている状態の人はこの補完が強く出る傾向が見受けられる。

補完は聴覚に限った事ではなく、視覚でも起きる。

その片鱗を体験出来るのがこの画像だ。

リンク先の上にある12個の点は見えるのだが、その点に格子の図形が加わると視点の中心付近の4つの点しか見えなくなってしまう。

何故、そうした現象が起きるのか?

人間がハッキリと物を見る事が出来るのは黄斑の周辺であり「錐体細胞」が密集している所に映った映像だけで、それが視点だ。

その視点以外の所は、12個の点だけの画像の様に、ハッキリと見えている様に感じているが、実は然程ハッキリとは見えていない。

ハッキリと見えていると感じているのは、脳が周囲の状況から推測して補完しているからである。

それ故12個の点に格子が掛かると、錐体細胞の領域では点を認識できるが、桿体細胞の領域では認識出来ないので、周囲の情報から格子を補完してしまう為、錐体細胞の領域以外の点は見えなくなってしまう。

これが視覚に於ける補完だ。

そして、視覚の補完も聴覚と同様に心的要因に左右されて見え方が変わってしまう。

それ故、錯視の多くは周辺視野の領域で起きている場合と距離がある場合が殆どである。

また、こんな事例もある。

例えば、坂田利夫松山千春の顔が同じ顔に見えている様な人だ。

これは、一つの目立つ特徴から顔を補完している為に起きると考えられる。

こうした人の言動は実に興味深い物がある。

坂田利夫と松山千春で例えるなら、二人の写真を並べて見比べた時に「雰囲気は違うが同じ人です」と言ったりする。

第三者が見れば全くの別人の顔が、雰囲気の違い程度にしか認識出来ていないのだ。

こうした人は「特定の誰かに先回りされたり待ち伏せされている」「必ず自分の行く先々に特定の相手が現れる」などと主張する事が多い。

また、他人の何気ない行動が自分に対する加害の様に思えたりもする。

例えば、歩きスマホをしている人を見ると、自分の顔がネットで配信されていて、自分の顔を確認されていて通報していると思えたりする。

歩きスマホをしている人は、スマホを見ている時にぶつからない様に、進行方向をチラ見したりするのだが、そのチラ見が画像と照合されているかの様に見えていたりするのだ。

本来、誰かの行動に対する理由は本人以外誰にも分からない。

相手には相手の事情が有って行っている行動を、自分に関連させた妄想で補完された認知がなされているので、前方確認のチラ見が自分の顔の照合に見えてしまうのである。

つまり、「見える」と言う事は、脳が何をどの様に認識したかで様相が変わる性格の物なのである。

そして、そうした補完が被害妄想を確信に変えてしまう。

そして、持っている被害妄想(コンプレックス)の影響を受けた補完がなされる。

と言うより、被害妄想自体が「思考の補完」なのだ。

視覚や聴覚の補完は、見えない部分や聞えない部分を、周囲の状況から推測して補完が行われる。

妄想も原理は同じで、歩きスマホの例の様に、本来分からない部分を推測(妄想)で補っている。

つまり、幻聴、幻覚、被害妄想と言った統合失調症の症状と言われている物の全てがたった一つの「補完」と言う機能で発生しており、視覚と聴覚と思考が相互に影響し合いながら補完は行われている。

また、幻臭や幻味などの感覚異常も補完で説明が付く。

視覚が聴覚の補完に関係しているのは、こちらで体験出来る

幻聴のもう一つの原因が幻覚物質のアドレノクロムである。

ホッファー博士の提唱する分子整合療法によると、総合失調症の幻聴はアドレノクロムが原因物質であるとされている。

統合失調症はドーパミン過多が原因と言われており、そのドーパミンを基にしてノルアドレナリンが生成される。

そのノルアドレナリンがメチル化してアドレナリンとなり、アドレナリンが酸化する事でアドレノクロムが生成される。

このアドレノクロムは幻覚作用を持つメスカリンと同じ成分で構成されている為、同じ作用を持つとされている。

分子整合療法ではアドレノクロムがアドレナリンの酸化物質であるなら、アドレナリンを酸化させなければ良いと言う考えから、抗酸化作用のあるビタミンCやEの大量摂取や、アドレナリンの前段階であるノルアドレナリンのメチル化を阻害するビタミンB3(ナイアシン)の投与が有効とされている。

文献によると、実験で投与された量は、1時間当たりビタミンCを1000mgと書かれている。
ビタミンは大量摂取しても大丈夫な物と体調不良を起す物もあるので、医師の監修が必要である。

但し、日本では分子整合療法は認知されていない。

また、幻聴や幻覚に対する効果は記されているが、統合失調症が治ったとは記載されていない。

 幻聴と心理状態

被害妄想を抱く人の共通した特徴は「人間不信」「社会性の低さ」があり、社会性の低さは、そのままコミュニケーションの低さでもある。

被害妄想を端的に表す言葉が「疑心暗鬼」である。

その語源は「疑心、暗鬼を生ず」であり、「暗闇と言うだけで疑い、鬼がいるかのように見える」から来ている。

被害妄想は、他人を信じず上手くコミュニケーションが取れない為に、他人が分らない。

その分らない他人が暗鬼となり、疑心を生じている状態である。

他人が考えている事など、誰にも分かるはずも無い。

しかし、コミュニケーションを重ねる事で他人を理解する事は出来る。

逆に、コミュニケーションを重ねなければ他人を理解する事は出来ない。

そして、相手を信じて自分が心を開かなければ、相手も心を開いて本心を話さず、上辺だけの付き合いしか出来ない。

コミュニケーションが苦手で他人を信じられない人は、他人の心を想像するしかない。

人間は無から何かを生み出す事は出来ない。

必ず、ベースとなる物が必要となる。

他人を理解する為のベースとなる物。

それが、自分だ。

「自分はこう思うから、相手もこう思うだろう」と言った思いや考えである。

しかし、それは他人の思いではなく、自分の思いでしかないのだが、それをさも相手の思いや考えの様に受け止めていたりする。

それは、他人と言う鏡に自分を反映させているに過ぎない。

別の言い方をすると、他人には二種類の他人が存在する。

一つは現実の他人であり、もう一つは心の中で作られている他人である。

そして人は心の中で作られている他人を現実の他人に重ね合わせて見ているのだ。

映画に例えるなら、視覚情報で見えている他人は無声映画で、無声映画だけでは実際何を話しているのか分からない。

無声映画では、そこに字幕を入れたり弁士が声を入れるのだが、それが心の中で作られている他人であり、現実の他人に心の中の他人を重ねて見る事を投影と言う。

参考 https://yotsuyagakuin-tsushin.com/b_psychology-blog/touei-kirainigate/

https://psychoterm.jp/clinical/theory/projection

そこに一つの問題が生じる。

現実の他人に投影された「心の中で作られている他人」を、現実の他人だと認知してしまう事だ。

自分の中で作られている他人は自分自身でしかない。

心の中で作られている他人を現実の他人だと認知してしまうと、自分と他人を隔てている境界が曖昧な状態になってしまう。

それを私は自他の未分化(共感覚)と呼んでいる。

自他の未分化 とは、自分の中で自分と他人が分化されていない状態の事で、自分の中で作られている他人と自分の区別が付かなくなっている状態と言えば分かり易いだろう。

別の言い方をすると、自分と自分の中で作られている他人との境界の喪失(未分化)であり、自分の中で作られている他人を現実の他人だと思い込む事で自他境界が崩れて行く。

すると、自分も、自分の中で作られている他人も、自分でしかないので、自分の言動や行動から思考に至るまで、自分が知っている事は全て自分の中の他人も知っている事になる。

その自分の全てを知っている「自分の中の他人」を現実の他人に投影し、それを現実の他人だと認知しているのだ。

そうした認知に大きな影響を及ぼす物が自己肯定感である。

自己肯定感が高ければ自分を肯定する投影が行われるが、自己肯定感が低ければ自分を否定する投影が行われる。

自分を否定する投影が行われると、先ずは理想の自分を演じ本当の自分を隠すようになる。

その根底にある物は「見捨てられ不安」があるのだが、これは下の方で書いているのでここでは触れない。

こうなると、本当の自分を知られたくない気持ちが強まり、その気持ちの強さに比例して、投影された他人の自分に対する否定が強まって行く。

故に、自他境界が曖昧な状態になると、監視、盗聴、盗撮されている感覚に陥り、自分の中で作られている他人の考えや思い、そして言葉など(自分自身の自己評価が他人に投影された物)が声として感じれば「幻聴」となり、頭に直接届くようなら「音声送信」の様に感じられ、自分の考えがダダ漏れのように誰かに伝わっている様に感じれば「思考盗聴(思考伝播)」や「サトラレ」と言う言葉になり、自分の中で作られている他人が人格を持つに至れば多重人格になる。

こうした心理が、聴覚の補完に影響を与えれば幻聴は起こり、視覚の補完に影響を与えれば幻視や被害妄想となる。

それは、心理状態が感覚の補完に影響を及ぼし、その結果、世界を正確に認知する事が困難になる事を意味している。

故に言動にも未分化の特徴が出る。

例えば、盗聴されていると思える要因が、盗聴する側の感覚だったり、聞く物で聞かれると思えたり、「される」感覚を「する」感覚で話したり、一人称と二人称と三人称の交錯など、立場的感覚が交錯した言動がしばしば見受けられる。

これらは、まるで統合失調症の「了解不能」と呼ばれる症状のように思われるが、初期の時点ではまだ心の問題なので病気とは言えない。

しかし、自他境界が曖昧な状態はストレスを生み、ストレスが継続すれば脳細胞がダメージを受ける事となり、脳細胞がダメージを受ければ機能障害を起して病気となる。

それが精神疾患である。

そして、こうした自他境界の曖昧性を助長させる有害な物が、スマホでありSNSでもある。

何故なら、スマホやSNSによるコミュニケーションは、目の前に相手いない為に、必然的に心の中に作られている他人を思い浮かべてのコミュニケーションとなる為、スマホ上で「投影」が行われている状態である。

それは自他境界が曖昧な状況をスマホ上で作り出している状態であり、殆どの人はその自他が曖昧な状態に気付かずに現実と認識している。

故に、スマホやSNS依存の人の自他境界が崩れ始めると、スマホ乗っ取りやハッキング、データ流出などで自分が監視されているかのような感覚に陥る。

「投影」の対象が現実の他人からスマホに変ったと考えれば分かり易いだろう。

(詳しく知りたい方は「なぜ人は精神を病むのか: 心を蝕む二次元脳」で詳しく書いています)

こうして幻聴や被害妄想を個別に分析検証して行くと、それらが統合失調症の症状ではなく、統合失調症を含む精神疾患を引起す「要因」である事が分かって来る。

問題は、幻聴や被害妄想の原因が「投影」ならば、投薬治療では自他境界や世界観の曖昧性まで治療する事は出来ないと言う事だ。

それ故、治療の効果は期待出来ず、それが焦りとなってストレスとなってしまう。

そして治療に疑念を抱き始めると、オカルトや似非科学に興味を持ち始める。

オカルトや似非科学を信じ始めると言う事は、根拠も実態も無い在りもしない物を信じ、在りもしない物に怯えて暮らす羽目になる事を意味する。

その状態はストレスが永遠に続く状態であり、精神疾患の原因が供給され続け、悪循環に陥る事を意味する。

自分の心を投影した他人を現実の他人と思い込む事は、妄想と現実の区別が付かない事と同じである。

こうした観点からすると、統合失調症の症状の一つとされる「現実と妄想の区別が付かない」と言う症状も、症状ではなく原因であると言える。

盗聴調査の仕事をしていると、その事を実感する。

盗聴を疑う人の世界観は、テレビで見たとかネットで調べたとかの知識だけだ。

そして、盗聴発見器は買っても盗聴器を買う人はまずいない。

盗聴を疑う人の盗聴器とは、想像上の盗聴器でしかなく、妄想で作り上げた盗聴器で聞かれていると本気で思い込んでいるのだ。

それは知恵袋で盗聴などの質問に回答を寄せる人も同じだ。

実際の盗聴器など見た事も触った事も無い人が、聞きかじっただけの知識で回答を寄せ、デマを拡散し被害妄想者を追い詰めている。

つまり、経験の伴わない知識は妄想と何ら変わりは無く害でしかない。

故に、経験で学ぶ自然界の動物が統合失調症を発症する事は無く、発症するのは人間だけである。

統合失調症の人に限らず精神を病む人は、やたらと情報を求める傾向が強い。

しかし、情報を求める人は知らないから求めるのだが、元々知らない人に情報の真偽が分かるはずも無いので、鵜呑みに信じやすい傾向を持つ。

それは情報に左右されて振り回される事を意味する。

物事の真偽と言う物は自ら経験して学んだ「経験知から導き出される経験則」が必要不可欠である。

経験の伴わない情報や教えと言った「形式知」は、妄想と大差は無い。

自分が経験した事でなければ、頭の中だけの事なので妄想と変わらないのだ。

そうした形式知を全て現実だと信じてしまえば、現実と世界観が解離する事となり、解離が大きくなれば受けるストレスも多大になる。

こうした状況になった人は、打開策を求める。

それは相談であったり、治療であったり、スピリチュアルであったりする。

しかし、目前の問題を解決しようとしても、おいそれとは上手く行かない。

何故なら、それらの要因は親や生活環境が作っている場合が多く、治療以前に親の反省や生活環境の改善が求められる場合が多いからである。

余談だが、盗聴を気にする人と気にしない人がいるのだが、両者の違いは「ありのままの自分」を認めて愛せるか、認められず嫌悪するかの違いである。

ありのままの自分とは、自分の長所も短所も認めた上で、その全てを受け入れて愛するという事。

それが自己肯定感である。

短所も含めた自分を愛しているなら、短所は恥とは感じないので気にならない。

逆に、自分の短所を認められず、自分の短所を嫌悪していれば、自分の短所を恥だと思い知られたく無いと思う。

ありのままの自分を愛せない一番の原因は、親がありのままの子供を認めずに理想を押し付ける事から始まる。

親にありのままの自分を認められずに育てられれば、往々にして子供は親の望む良い子を演じてしまう。

そして大人になってからでも理想の自分を演じ続ける傾向を持つ。

親の望む良い子を演じる背景には、ありのままの自分は愛されないと言った「見捨てられ不安」がある。

子供にとって、親から見捨てられる事は生存の危機となる。

故に、ありのままの自分を受け入れる事が出来なくなる。

ありのままの自分を受け入れられず、理想の自分を演じていれば、ありのままの自分と理想の自分の間に乖離が起きる事となる。

すると、ありのままの自分と理想の自分が否定し合う事となり、それが幻聴や妄想に反映されれば幻聴や妄想は自分に否定的な傾向を持つ事になる。

理想の自分とは、妄想で作り上げた自分でもあり、それが本当の自分だと思い込む事も、妄想を現実と思い込む事と同じである。

また親の望む理想の子供を演じてきた子供が成長すると、往々にして周囲の人の求める自分のキャラクターを演じようとする傾向を持つ。

厄介な事に、理想の自分を演じて生きていると、それが本当の自分だと思い込んでしまったり、本当の自分が何なのかも分からなくなったりもする。

つまり、自分が見えなくなってしまうのだ。

言い換えると、自他境界とは自分と他人を明確に分ける境界なのだが、そこに「自分」と言う物が無くなってしまい、「自分は何者?」と言う感覚に陥ってしまう。

こうなると、演じている理想の自分も、心の中で作られている自分も大差は無くなる。

演じている自分は本当の自分ではなく、本当の自分が何かも分からなくなってしまえば、自分を信じる事が出来ず、自分に自信を持つ事も出来ず、心は抑圧され続ける。

自分を信じられない者は、信じられない自分を他者に投影する為、他人も信じられず、他人は常に疑心暗鬼の対象となってしまう。

因みに、疑心暗鬼に捕らわれた人に通常の感覚で接すると痛い目に合う事がある。

例えばボランティア的にな無償行為。

健常者の感覚からすると、ハンディを背負った人を無償で援助するのは美徳好意で感謝される事は有っても恨まれる筋合いではないと考えるだろう。

しかし、ハンディを背負った人からすれば、下手なボランティア精神は自分ハンディを突き付けられ、自尊心を傷付けらたと思えたり、絶対裏があると勘ぐる人もいて、その結果犯人扱いされる事となり、その理不尽さに苛まれる事となる。

これは老人介護などの「取られ妄想」と原理は同じで、面倒見の良い人程泥棒などの犯人扱いされる。

行過ぎた教育も幻聴の要因となりうる。

子供の頃に必要なのは勉強ではなく、昔ながらの遊びで友達と遊ぶ事である。

昔ながらの遊びには社会性に必要な要素が多分に含まれており、昔ながらの遊びをして来なければ社会性が低くコミュニケーションに問題を抱える事になる。

コミュニケーション力が低ければ他人に対して疑心暗鬼が生じ易くなってしまう。

一日は誰にも等しく24時間しかない。

その24時間を何かに特化して費やせば、別の何かを習得する時間は削られる。

こうした事を「被害妄想解体新書」で詳しく書いている。

またこの記事を読まれた方は「被害妄想は曖昧性」「騒音の無い生活騒音トラブル」もあわせて読まれる事をお奨めする。

また、最新研究も含めて集大成として書いたのが「なぜ人は精神を病むのか: 心を蝕む二次元脳」である。

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