2016年5月19日に東京・江戸川区のアパートで、ご近所トラブルから男が男性を拳銃で撃った後自殺した。
その原因は「足音がうるさい」など生活騒音だ。
そして2016年5月20日には尼崎で、同じアパートに住む男が上の階に住む親子をハンマーで襲い刃物で刺す事件が発生。
こちらの事件も原因は生活騒音だ。
こうした生活騒音で発生する殺傷事件の原因は「生活騒音」が原因と言われる。
生活騒音と言うと、さも音を立てているかの様な印象を与える。
しかし、実際に測定したり録音の解析をすると生活騒音と呼べる程の音は存在していない事が殆どだ。
その生活騒音と呼べない程の音を騒音に感じているのだが、「騒音と言えるレベルでは無い」と告げると、騒音と感じるかは個人差だと主張する。
しかしだ、その人の求める静かさを相手に迫れば、生活は出来ない。
その音も「音を出している」と思っている相手が出しているとは限らない。
そもそもその音自体が存在していなかったりもする。
では何故、騒音も無いのに騒音トラブルが起きるのか?
それは「孤立化」である。
騒音トラブルで刃傷沙汰を起した犯人は、例外無く一人暮らし、無職、対人関係の希薄な人で、孤立化している人である。
生活騒音による近隣トラブルの根底にあるのは孤立化なのだ。
問題は、生活騒音と言う言葉が与える印象だ。
不幸にも殺されてしまった人た刺されてしまった人、そして近隣の住人は「生活音がうるさい」と言われれば、思い当たる事を思い浮かべてしまう。
その為、文句を言われれば思い当たる事もあるので、とりあえず謝ってしまう。
一度でも謝ったら最後、執拗なマークを受けて頻繁に怒鳴り込まれるようになってしまう。
通常、音が煩いと文句を言われれば、音に十分注意して生活する。
しかし、どれ程音に注意して生活しても、相手には騒音が聞えているのだ。
何度怒鳴り込んでも、改善されなければ怒りは頂点に達してしまい、刃傷沙汰に発展する。
問題は、騒音と言う音にある。
その音が実際に隣人が出している音なら、音を出さない様に注意していれば騒音は無くなる。
しかし、実際にはそんな生活音など無かったとしたら、どれ程音を出さない様に生活していても、騒音と感じる音は止まらない。
「とりあえず謝る」と言う事は、相手からすれば「音を出している事を認めた」と言う事になる。
そうなれば「音を出すのはこいつだ」と認識され、何でもかんでも犯人扱いされる事になり、何度も怒鳴り込まれる事になる。
そもそも生活騒音で文句を言う人と、生活騒音を出したといわれる人では「生活騒音」の共通認識が異なるのだ。
文句を言われた人の考える生活騒音は、生活する上で出てしまう音を思い浮かべる。
文句を言う言う人は自分に聞えた音で、ドアを思いっきり閉める音、ドタドタと言う足音などで文句を言う。
しかしだ、脳内爆発音症候群と言う病気をご存知だろうか?
寝入りばなに、ドン、ドーン、ドカーン、バーン、パンとか、破裂・爆発・衝撃音系の音が聞える病気だ。
もし、脳内爆発音症候群と言う病気を知らずに、そうした音が聞えたとしたらどう思うだろう?
ドンと言う音は、床に飛び降りる音、バーンはドアを思いっきり閉める音に思えるだろう。
そして、寝入りばなに聞えて、それが何度も続けば、睡眠を妨げる嫌がらせに思えるだろう。
この脳内爆発音症候群の原因はストレスと言われている。
孤立化している人は、孤立化自体がストレスになる。(詳しくは「被害妄想解体新書」参照)
その為、孤立化している人の脳内爆発音症候群の発症リスクは高い。
そして、無職で一人暮らしであれば、自室にいる時間が長くなり酒を飲ん寝るなど、寝入りばなの頻度が高くなる。
もし、生活騒音のクレームを言っている人が、脳内爆発音症候群だったとすれば、そこに生活騒音など存在しない。
つまり、クレームを言う側と言われる側では生活騒音の共通認識が最初から異なっているのだ。
また、無職の一人暮らしで孤立化している人は、経済的理由から家賃の低い賃貸住宅に住む傾向かある。
家賃が低い住宅は、防音性が低く音が聞こえ易い。
この脳内爆発音症候群は、存在しない音が聞える一例でしかない。
その外に、悪口が聞こえるタイプには「聴覚過敏」が最も多い。
これは、小さな音が大きな音に聞えたり、生活騒音などの雑多な音の中に自分に対する悪口を脳が作り出してしまうので始末が悪い。
これも原因は孤立化やストレスで起きる。
聞える声と言うのは、自分自身の自己評価でしかない。
つまり、原因は自己否定だ。
こうした事を書いたのが「隣人クライシス」だ。
隣人クライシスでは、何故そう言った音が聞えるのか、そうした人のクレームの対応などを書いている。